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由無し事をたまに綴るブログです。

夏時間は議論するほどのものでもない

チリでは昨日で夏時間がやっと終わりました。
昨日までは朝8:00頃まで薄暗い中の出勤だったのですが、今日からはもう少しましな生活時間になりそうです。西経70°のサンティアゴはただでさえ標準時の経度 (西経60°)より10°も西にあって40分も時計を進めているようなものなのに、夏時間の間はさらに時計を1時間進めてしまいます。

日本でも夏時間を導入したい人と反対の人がそれぞれ長所・短所を挙げて議論しています。チリに1年暮らしてみて、長所・短所について目新しい論点は特に見つかりませんが、それらの強弱は実感できるようになりました。一言でいうと、「夏時間はめんどくさい」に尽きます。

夏時間を導入することの利点として謳われている、節電効果とか、余暇時間の利用などは、確かにチリの生活で享受できます。17時を過ぎるとオフィスからだんだん人がいなくなり、18時にはほぼ無人になる職場環境では、仕事が終わってから4時間も明るい中で運動や飲食を楽しめるのは嬉しいです。でも、これって何も時計を進めなくても、「夏季は勤務時間を1時間シフトする」のような措置をコミュニティ毎に勝手にやればいいように思います。実際、日本で私が通った学校では、冬季の始業時間を遅くしていました。

夏時間と冬時間との切り替えで面倒なのは、時間の約束に確認事項が増えることです。他人と時間を約束するには、共通の時系が必要です。勤務先ではチリだけでなく日本や北米や欧州とビデオ会議をすることも多く、世界時 (UT) で開始時刻を伝えます。生活時間を便利にするために夏時間を導入しても、共通で連続性が維持される時系を使わなくてはなりません。もっとも、夏時間の環境で育ったチリ人や欧米人は当たり前のこととして面倒に感じていないようでしたので、単に慣れの問題かもしれません。

夏時間はめんどくさいですが、その中で生活していると「もうどっちでもいいや」という気分になります。議論に時間を費やす方が面倒ですから、夏時間を導入したい人は自主的に生活時間をシフトしてみてはどうでしょう。ブログに書くネタが増えることは、利点の1つかもしれないですね。