コロナ禍での日本一時帰国 (2) : 自主隔離中の１４日間ホテル滞在

日本到着後は14日間の自主隔離が求められます。滞在先は成田空港検疫所長の指定する場所（空港近辺のホテル）か自宅ということですが、成田空港から自宅まで交通機関を使ってはいけないし、家族に感染リスクを加えるのも避けたいので、空港近辺のホテルに14泊することにしました。9月27日チェックイン、10月11日チェックアウトです。

空港を発着する飛行機の眺めのよい部屋

 ホテルの予約

今回は長期の連泊ですので、成田発着の際によく利用させてもらっていた居心地のよいホテルを選びます。事前に自主隔離に利用しても構わないかをホテルに電話で問い合わせ、14泊の予約を入れました。宿泊料金は11万6800円とのことでした。ホテル側からの要請で自主隔離している旨を公開しないでほしいとのことですので、ホテル名は伏せます。
なお、最も安価で狭いシングル（山側）の部屋を予約していたのですが、チェックイン時にホテル側のご配慮により、空港側キングベッドの広い部屋にアップグレードして頂きました。ありがとうございます。

滞在中の業務

滞在中は「在宅勤務」扱いです。科研費での出張のため、研究課題に関すること（具体的にはALMAデータのリダクションと論文執筆）のみが許されます。とはいえ裁量労働制ですので始業・終業時刻は自分で決めて構いません。

ホテルのインターネットは無料で利用できるありがたいものですが、回線の速度は微妙で、チリのサーバーとの間は100 - 300 kbps程度でつらかったです。こんなこともあろうかとデータはSSDに入れて持ってきていたのですが、保存しそびれてどうしてもチリのサーバーからダウンロードが必要なデータがあり、一昼夜かかりました。インターネット接続は1日ごとに切断され再接続申請が必要になる仕組みなので、ちょっと難儀しました。TransmitというFTP接続ソフトは接続が切れても再接続後に再開できるので便利です。

備品のTVを外部ディスプレイとして利用

部屋に備付けの液晶テレビはHDMI入力ポートがあるので、持ってきたHDMIケーブルを接続して外部ディスプレイとして使えます。ただ、テレビの配置がベッドの足元に固定されているので、ベッドに腰掛けノートPCをテーブルに置いてテレビに画面を映すという姿勢になり、あまり効率的ではありません。諦めてモバイルディスプレイをネット注文しました。翌日にはホテルのフロントに到着して使えるようになり、便利です。

ホテルでの生活

当初は部屋から一歩も出れない館詰めを予想していたのですが、チェックイン時の説明によるとホテル内の施設は利用可能で、公共交通機関を使わないなら外出もOKとのことでした。もちろん部屋から出る際にはマスク着用は必須ですが、スイミングプールやサウナの利用も（マスク無しで）OKということで、運動不足解消と精神衛生維持に大変効果がありました。
滞在中の典型的なスケジュールはこんなかんじです。

5:30 起床
6:00 - 7:00 ランニング
7:00 - 7:30 シャワー
7:30 - 8:00 朝食
8:00 - 12:00 仕事
12:00 - 13:00 昼食
13:00 - 16:30 仕事
16:30 - 19:00 スイミングおよびサウナ
19:00 - 19:30 夕食
19:30 - 22:00 だらだら
22:00 就寝

ランニング

取香川沿いの遊歩道

ランニングは取香川沿いの遊歩道を東へ5 kmほど行った先にある関戸橋までを往復。途中に里山プロムナードやさくらの里のある自然豊かな道で、並行する空港線をスカイライナーなどの列車が疾走する様子や、成田空港へアプローチする飛行機を眺められる、飽きのこないコースです。早朝だとすれ違う人も希で、感染リスクは低いでしょう。

里山プロムナード。蜘蛛の巣に着いた朝露がイルミネーションのように輝いて美しいです。

朝食

朝食はホテル1階のレストラン「セレース」で。バイキング形式ですが、感染症対策として全ての料理がラップした状態で、スタッフの皆様のご苦労が偲ばれます。料理の種類が大変多く、野菜多めの選択もできます。どれも美味しくて滞在中の楽しみの時間となりました。頼めば緑茶も頂けるので大変ありがたいです。食後にレストランを出るときにも、持ち帰りのコーヒーをサービスしてくれるのも嬉しかったです。スタッフの皆様がきめ細やかに配慮して下さるのは、マネージャの力量が大きいと見受けられました。

昼食

昼食はルームサービスで日替わりメニューを頼むこともできますが、抜くことが多かったです。美味しいのですけど、カロリーを控えたいので。なお、ホテル1階にはファミリーマートがあって、そこで飲食物を買うこともできます。海草サラダや豆腐や納豆をよく買って食べました。

スイミングとサウナ

このホテルはスイミングプールを備えています。休館となる水曜日以外はほぼ毎日1時間ほど泳ぎました。他に泳ぐ人はせいぜい2-3人と少なく、貸し切り状態もしばしば。これならマスクなしでも感染リスクは低いでしょう。泳いだ後はサウナ付き大浴場で体を整えます。

夕食

夕食はファミリーマートで低カロリーの食べ物を買って部屋で食べるか、ホテルの向かいにある鉄板焼き店で食べることが多かったです。鉄板焼き店は閑古鳥が鳴いていて、一人きりと言うことが普通でした。

洗濯その他

ホテルの2階には無料で使える洗濯機と乾燥機が備えてあり、重宝しました。洗剤はファミリーマートで購入できます。

高速進行信号（青色2灯）が灯るとスカイライナーが160 km/hで疾走します。

滞在中に楽しかったことは、成田空港を発着する航空機を眺められることと、散策路から空港線を走る電車を眺められること、そして日本の美味しい食事です。つらかったことはノートPCの非力さ。ALMAデータリダクションに時間かかりすぎです。こんなことならDeskMini A300を持ってくればよかったです。力こそパワー。

Approaching flight to the Narita airport

14泊の滞在はおかげさまで大変快適でした。ホテルのスタッフの皆様に感謝いたします。それでもやはり行動の制限のある生活はどこか窮屈でした。自主隔離明けにはシャバに出られた喜びを感じたものです。