コロナ禍での日本一時帰国 (3) : 日本滞在記
ホテルでの自主隔離期間を終えて、山口大学での共同研究のための出張、それに続き2週間の休暇帰国を過しました。チリで半年間ロックダウンの生活を経験した身として、日本滞在中の様子を記します。
交通機関
首都圏では電車もバスも普通に利用率が高くて意外でした。ほとんどの乗客はマスクを着け、車内での会話を控えていましたが、それでも満員電車に近い乗車率の電車もあって、危機感を覚えました。アルコールジェルを携帯して頻繁に手指を消毒するよう心がけました。
羽田空港から山口宇部空港までの国内線旅客機に搭乗しました。9列シートのB席, F席, J席は感染対策のため使用不可になっていましたが、その他の席はほぼ満席の高い搭乗率でした。こんな時期でも運航してくれるのはありがたいです。
山口宇部空港から新山口駅までのバスは半分くらいの乗車率。新山口から湯田温泉まで乗車した特急「スーパーおき4号」はガラガラでした。おかげで山口線の前面展望を楽しめました。非電化単線は眺めがいいのですよね。
山口市内の様子
山口大学の宿泊所「熊野荘」に泊めていただきましたが、1夜を除いて利用客は私だけの貸し切り状態でした。感染対策の関係上、滞在中に清掃が入ることはなく、リネン交換やごみ出しは扉の前に出しておくことで行われます。共用台所は使用不可でしたが、洗濯機・乾燥機は利用できるので、特に不便はありませんでした。
山口大学はオンライン授業が中心、一部対面授業が再開されたところで、キャンパス内の学生数は少なかったです。昼食は主に生協の食堂で摂りましたが、感染対策のためほとんどの席は仕切りで隔てた「ぼっち席」になっていました。
湯田温泉は外国人観光客の多かった去年とは比べ物にならないほど観光客が少なく閑散としていました。食事処は閉店してしまったところが結構多かったです。それでも、瓦そばやふぐ天ぷらなどを楽しめました。
首都圏の様子
みなマスクを着用していることと、店の入口には必ず消毒用アルコールが設置されていることだけが新しいくらいで、特に変わったことはなく、普通の生活スタイルでした。ショッピングセンターなどは普通に集客していて賑わっていました。近所のサイゼリヤをテイクアウト利用したのですが、店内はほぼ満席でした。娘に推されて観に行った映画「鬼滅の刃」は平日午前中でも大入りでした(感染対策で座席間隔を市松模様に空けていることもあります)。チリで枯渇していた食材や衣料品や計算機関連部品を調達できるのはありがたいです。
ロックダウンが続いたチリに比べると、日本での生活はかなり自由度が高く、夜間外出禁止令も移動制限もなく(むしろGoToキャンペーンで旅行を推奨していた)、全くストレスを感じませんでした。日本より厳しい措置をとるチリと比較すると、10月30日時点で日本の累計感染者数は99622人で死亡者数は1744人、チリは累計感染者数は508571人で死亡者数は14158人です。人口あたりにすると日本はチリに比して感染者数で1/34, 死者で1/55と、かなり少ないです。何がこの差を生じるのか、専門家がいろいろ分析して要因を研究していることと思いますが、結果だけを見るとチリに比べて日本で生活する方がリスクは小さいと言えるでしょう