木星と土星の接近
2020年12月21日に、木星と土星が見かけ上0º.1の近くに並ぶ現象 (conjunction)が起こりました。この前後の、恒星を基準とした木星と土星の動きを写真に収めました。
木星の公転周期は約11.86年、土星は約29.53年ですので、会合周期は約19.82年。つまり約20年ごとに木星は土星を追い抜きます。今年2020年はちょうどその年にあたります。
次にこの現象が見られるのは20年後の2040年11月4日。ただし軌道傾斜角が木星と土星とでは異なるので、次回は1º以上離れてしまいます。
太陽系の2大惑星がこんなに同一視野内で衛星も輪も見えるのは珍しい機会です。
なお、トップの恒星を基準とした木星と土星の動きの主要因は、実は地球の動きです。地球の公転速度は約30 km/sで、木星の2.3倍, 土星の3倍です。近くの木星は相対的に速く、遠くの土星は遅く見えるわけですね。
太陽系内の天体の接近は他にも様々な組み合わせがあり、接近しすぎて片方がもう一方を隠す「食」あるいは「掩蔽」という現象もときどき起こります。今年の9月5日には月による火星の掩蔽(火星食)が起こりました。
Mars Occultation 2020-09-05 火星食
Mars Appearance 2020-09-05 火星食(出現)
また、12月14日には月による太陽の掩蔽、すなわち日蝕が起こりました。
日食・月食・惑星食などの現象は、国立天文台暦計算室が予報を取りまとめています。ご参照ください。