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由無し事をたまに綴るブログです。

アルゼンチン紀行 (3) San Miguel de Tucumán

2024年3月24 - 26日

San Miguel de Tucumánはアルゼンチンが独立宣言した歴史的な場所で、「母をたずねて三千里」で、マルコがついに母親に再会した街でもあります。周囲にはサトウキビ畑が広がり、製糖で栄えた地でもあります。Buenos Aires行き長距離列車の始発駅で、この列車に乗るのが目的の一つです。

San JavierからTucumán市街地を見下ろす

3月24日(日)

Buenos Aires行き長距離列車は週に2本、火曜日と土曜日のみ運行があります。長距離列車の切符はオンラインでも予約販売しているのですが、DNIというアルゼンチン居住者のID(日本のマイナンバーみたいなもの)がオンライン購入には必要で、外国人旅行者は窓口に行くしかありません。
まずはアルゼンチン国鉄の駅に行って列車の切符を買おうと思い路線バスに乗るのですが、SUBEカードが反応しません。TucumánではSUBEカードは使えず、Ciudadanaという別のカードが必要とのこと。しかも売り場は日曜日は休みで入手できません。というわけで無賃乗車です。まあ南米なので見逃してもらえますが。

市役所庁舎と独立宣言記念碑

 

案の定、駅の切符売り場も日曜は閉まっており、明日出直してくる必要があります。
駅から宿に向かう途中に、立派な市役所庁舎があります。その近くの通りにはアルゼンチン独立宣言の記念碑と、Casa Históriaという歴史博物館があります。入場無料なので入ってみます。

Casa Historía

ここは国民議会が1816年7月9日にアルゼンチン独立を宣言した歴史的な場所で、独立運動の歴史や独立戦争の過程を伝える資料や映像は興味深いです。7月9日はアルゼンチンでは独立記念日として祝日となっているほか、各都市に7月9日通りがあります。
重い荷物を背負って歩くのが疲れてきたので、宿に預かってもらおうと予約していたホテルLa Terminalに向かいます。チェックインは14h00mなのですが、空いているからと午前中にもかかわらず部屋に案内してもらえました。ベッドで2時間ほど休憩します。

San JavierからTucumán市街地を見下ろす

 

午後にバスターミナルに行ってATMで現金を引き出し、Uberでタクシーを呼んでSan Javierに向かいます。宿から26 km, 標高1300 mほどの山まで九十九折を登ってもらいます。山頂はキリスト像の建つ公園になっており、展望台からはサトウキビ畑に囲まれたTucumánの街を一望できます。運転手さんと山頂のカフェでお茶しながら、いろいろ世間話をしました。「なんてTucumánなんかに来たの?」と問われ、「マルコが母親に再会した場所だから」と答えたら、「そんなアニメ知らない」と言われたので、「高畑と宮﨑が作ったアニメなんだけど」と言うと、「鳥山のドラゴンボールなら知ってる」とのことでした。

タクシー運転手さんによる案内

 

帰路は南側の教会を通る道から山を下りて、17h30m頃にホテルに帰着。半日観光案内してもらってARS $20000 (約3500円) は安いものです。
夕方にParque 9 de Julio (7月9日公園)を散策します。バスターミナル近くの広大な公園で、池畔には多数の市民が憩い釣りを楽しんだりしています。「遊泳禁止」の看板がある……ということは泳ぐ輩がいるのだろうな、と思ったら案の定でした。

Parque 9 de Julioの池

 

日曜なのでレストランはほぼ閉まっています。夕食はMostazaというマクドナルドみたいなハンバーガー店で済ませました。

3月25日(月)

今後の行動は、アルゼンチン国鉄の切符を買えるかどうかによります。買えたならTucumánにもう一泊して火曜日の列車に乗ります。買えなかったらTucumánをバスで出発します。とりあえず宿で朝食を摂り、10h00mにチェックアウトします。
駅に行くと窓口は開いており、切符を無事購入できました。寝台車が売切れなのは残念ですが、まあいいです。駅近くのカフェ La Pizzada でお茶を飲みながら、本日の宿 LG Golden Suites を予約します。身軽になりたいので予約したばかりのホテルに行き、チェックイン時刻まで荷物を預かってもらいます。

駅近くの留置線

 

明日の列車まで特にすることはないので、Kindleを携えてカフェや公園で読書に耽ります。平日の昼間でもTucumán中心街は賑わいがあります。「Cambio, cambio」と呼ぶヤミ両替の人たちがいて、試しにレートを聞くと1ユーロ=1050ペソとのこと。これならATMで下ろすより有利なので50ユーロを両替。1枚の紙切れが52枚の紙切れになりました。
夕食はホテル近くのLa Tropilla Barrio Surでasado (焼肉) を堪能します。

asado

3月26日(火)

列車に乗る日ですが発車は21h30mなので、チェックアウトするも宿に荷物を預かってもらいます。この日も午前中はKindleを携えてカフェで読書。時間がゆったりと流れます。

博物館の展示

 

午後にMuseo Miguel Lillo de Ciencias Naturalesという研究所付設の博物館に行ってみます。昆虫標本や化石、Andes山脈の生態系などを展示していて面白いです。他に来場者はおらず、係員が付きっきりで案内してくれました。でも一番興味深かったのは博物館入口の池にいたイトトンボです。

青いイトトンボ

 

夕方までは再度Parque 9 de JulioでKindle読書に耽ります。夕暮れ時に駅に行ってみると、発車待ちの乗客や物売りで賑わっていました。係員に聞くと改札の開始は発車1時間前の20h30mとのこと。それまでLa Pizzadaをラウンジ代わりにお茶を飲みながらKindle読書。列車には20時間乗るので、駅弁代わりにテイクアウトのピザを注文し、石窯焼きのピザを携えて駅に戻ります。

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