3月末に家族でチリ北部のアタカマ沙漠*1を旅行したときの記録です。私は年に10回程度の頻度でALMA運用のためにアタカマに出張しますが、OSF (Operation Support Facility) に滞在するだけで観光要素はありません。また、家族はアタカマに来たことはなく、私が出張で来ている場所をあまり理解できていないようでした。同僚のAさんがいろいろ手配してくださる機会があり、休暇をとって家族でOSFおよびアタカマ観光をすることになりました。
San Pedro de Atacama
アタカマ旅行の基点となるのはSan Pedro de Atacamaというオアシスの村で、ホテルやレストランやツアーデスクが林立し、ALMA OSFへのツアーもここが出発地です。土産物屋が並ぶメインストリートも未舗装で埃っぽいです。どの季節でも昼は真夏の暑さですが夜は冬の寒さです。日差しが強いので帽子とサングラスは必須です。なるべく日陰を歩きたいのですが、野良犬が寝そべっているので直射日光の日なた歩きを余儀なくされます。
現金を引き出せるATMは2-3ヶ所しかありません。レストランなどはクレジットカードで支払いができますが、ある程度の現金はATMが頼りです。なお銀行は昼休みの間はATMもお休みになりますし、薬局 (Cruz Verde) 内にあるATMは行列ができます。
夜はメインストリート以外は真っ暗になりますので懐中電灯が必須です。ホテルの人によると治安は悪くないそうですが、チリ基準ですから夜間は出歩かないほうが無難です。
OSF運用の間、非番の時間はSan Pedro de Atacamaに行ってきてもいいことになっているのですが、私は行きたいと思ったことがありません。OSFで天体写真を撮っている方が楽しいです。
交通
最寄りの空港はCalamaです。首都Santiagoから飛行機で2時間ほど、LANとSky 合わせて10往復くらいの便があります。Calama空港からSan Pedro de Atacamaまでは乗合Vanで1時間30分ほど。今回はTransvipでオンライン予約しました。片道・1人あたりCLP 12,000ですが、オンラインで前払いすると10%割引きになります。宿泊するホテルまで送り迎えしてくれます。
宿泊
今回は[Ckoi Atacama Lodge:title=Ckoi Atacama Lodge]に2泊しました。
家族で経営する民宿のような小さな宿で、ホスト・ホステスは子供に気づかってくれたり、ダイニングに行くとお茶を出してくれたりと、大変親切にしてくれました。村の中心まで歩いて行ける距離ですが、夜は真っ暗になるので星空を比較的安全に楽しめます。
このホテルは庭でリャマを飼っていて、子供は喜んでエサをやっていました。猫や犬も飼っているのですが、子供たちは犬が苦手で逃げ回っていました。
部屋は広くて比較的清潔でしたし、バスルームでちゃんとお湯がでましたので快適でした。ただ、蚊が多いのには閉口しました。屋根が草葺き*2のためか、容易に蚊が侵入してくるのです。一晩に20匹は潰しました。
食事
宿では朝食が出ますが、その他はSan Pedro de Atacamaの中心にあるレストランやカフェに行きます。Adobeはたぶん最も良質のレストランで、一人分のLomo a lo Poble*3を家族4人で分けてお腹いっぱいになります。また、Barrosというカフェは搾りたてのジュースなどが美味しく昼食によかったです。
ALMAサイト見学
ALMA Observatoryは土・日にSan Pedro de Atacama発のガイド付きOSF見学ツアーを実施しています(無料・要予約)。今回は、他の職員の家族と共に手配して頂いたバスでOSFに向かいました。他の方々はOSFからアンテナのある山頂サイト*4(標高5,000m)へ行きましたが、私たちはOSFに留まってTechnical BuildingやTF Padで試験中アンテナやCASINO(食堂)や職員の宿泊棟を見て回りました。子供はやはりアンテナが興味深かったようです。
温泉 (Termas de Puritama)
San Pedro de Atacamaから車で1時間弱の距離、標高3,500mにある天然掛流し露天温泉です。denomades.comで予約しました*5。 源泉(37℃)から流れ出す川沿いにいくつも浴場があり、下流ほど低温です。ぬるいのでいつまで入っていてものぼせません。
ススキのような草に囲まれた中をトンボが飛び交い、小魚が棲むぬるま湯に浸かるのは爽快です。なお、水着とタオルは必携です。更衣室はありますが売店は無いので、飲み物や携帯食は用意した方がいいでしょう。
アタカマ塩湖 (Laguna Cejar)
ここもdenomades.comで予約しました。塩湖への入場料は別途現金払いが必要です。。
最大の塩湖は立ち入り禁止で側から眺めるだけですが、小さい塩湖は泳ぐことができます。飽和食塩水ですので簡単に浮きます。塩の結晶は鋭いので裸足では歩けませんから、泳ぐときもサンダルが必須です。また、ちょっとした傷も滲みます。泳いだ後に油断していると乾いて塩まみれで真っ白になります。一応シャワーはあって、塩水を流せます。
Laguna Cejarで泳いだ後に、Ojos del Salar という2つの池に行きます。ここでは無謀な人たちが飛び込んでいました。
さらにLaguna Tebinquincheという塩原の広がる塩湖に行きます。ここでちょうど日の入りを迎え、夕日に染まるアンデス山脈を眺めることができました。
2泊3日と短い旅でしたが、なかなか楽しめました。ここで挙げた以外にも星空ツアーとかTatio間欠泉とかいろいろ見どころがあります。日本では味わえない沙漠を楽しみたい方にはお奨めです。