パタゴニア旅行記:フエゴ島のキングペンギンツアー
フエゴ島 (Tierra del Fuego) は南米大陸とマゼラン海峡を挟んで南側にある島で、面積は北海道より小さく九州より大きいです。島の中央部を南北に貫くチリ-アルゼンチン国境が島を東西に分け隔てています。
Full Day Tierra del Fuego
Punta Arenas発のFull Day Tierra del Fuego というツアーを denomades.com にて予約しました*1。フエゴ島にあるキングペンギン棲息地を訪れるツアーです。
7:30にホテルまで迎えのバスが来るはずというのが8:00までやってこない、というのは相変わらずのチリ時間感覚です。ミニバスはあちこちの宿に寄ってツアー参加者を拾ってから、Punta Arenas北港にある Transbordadora Austral Broom のターミナルに着き、9:00出港のPorvenir行きフェリー「Pathagon」に乗り込みます。
マゼラン海峡横断
380人乗りのPathagonはほぼ満員でした。船室だけでなく甲板にも乗客が多かったです。
甲板に出るとマゼラン海峡を渡る海風が心地よく、あまり揺れも感じません。操縦室にも乗客が入っていいようで、船長さんが乗客にいろいろと説明していました。
だんだんとフエゴ島の島影が大きくなり、2時間ほどでPorvenirに到着です。到着前にミニバスに乗るようガイドから案内があり、バスに乗ったままフェリーから降りてフエゴ島に上陸します。
Porvenir
フエゴ島チリ側で最大の町(といっても人口5000人程度)で、造船(修理など)が最大の産業だそうです。
バスはまず町の入り口にあるPlaza Selknamに着きます。ここには絶滅した先住民セルクナム族の像が立ち、スペイン語と英語で説明が書かれています。
次にバスが向かったのは博物館です。セルクナム族の生活様式やヨーロッパ人による開拓の歴史が展示されています。
Parque Pingüino Rey
昼食を小さな食堂で摂ってから、バスは約100 kmほど未舗装路を走ります。途中のパタゴニアの荒野は興味深く、グアナコやÑandúを見かけたり、湖にはフラミンゴのような鳥が集います。
目的地はイヌティル湾 (Bahia Inútil)の奥にあるParque Pingüino Reyというキングペンギンの棲息地です。受付で入場料を払い海岸に向かって歩くと、衝立の向こうにキングペンギンの群れがいました。
浜辺に流れ込む小川のほとりのコロニーは美しい光景です。ペンギンを驚かすことのないように距離を保ち、衝立で遮りつつ写真を撮れるようにしているのは好ましい配慮です。しばらく望遠レンズを使って撮影していましたが、カメラの設定が意図せず保護モードになってしまい、動画を撮れなかったのが残念です。子供たちは、始めのうちはペンギンの姿に興奮していましたが、近寄れないことが分かると興味を失ったようで、受付で売っているジグソーパズルや缶バッヂが欲しいと騒いでいました。
帰路
主目的のペンギン公園を後にしてバスは帰途に着きますが、フエゴ島を北上してPunta Esporaからマゼラン海峡の最も狭い場所をフェリーで渡るというルートを取ります。Punta Esporaに行く途中でバスはCerro Sombreroという町に寄ります。ここは石油・天然ガスを採掘するために栄えた町ですが、原油価格の下落によって石油の採掘は止めたそうです。バスが停まった公園の近くにある小さな博物館を見学できました。
Punta Esporaのフェリーは短時間なのでバスに乗車したまま乗船し、外の眺めは楽しめません。対岸のPunta Delgadaに着いてから陸路でPunta Arenasに戻ります。
途中San Gregorioという開拓時代の教会や倉庫がある集落に停まり、海岸に打ち捨てられた廃船を見たりします。ホテルに到着したのは22時頃。まだ明るいとはいえ、さすがに子供たちも疲れたようです。
*1: 運用するのはPatagonia Fullです